「 ESP、か 」


一ノ瀬はバリアーよりも、このESPの方に期待しているようだった。


ESPとは、透視、予知、探査の出来る人並みはずれた第六感のことだ。

二年前、あたしは"ESPマスター"だった。

それは、ESPを持つ者の中でも最高レベルとされる称号。

でも、それも今となっては過去の話……

あたしの実力はESPマスターとは程遠いものになっていた。


「 お~い、ミク~! 迎えに来たぜえ~!」


明るい声とともに、こんもりとした頭が斜面を下りてくる。


「……黒木 」


あたしはムクッと体を起こす。

すると、


「……きいゃーっ!」


黒木が素っ頓狂な声を上げた。