————————————————
——————————————————
————————————————

————————————————


重苦しい室内……

透と薫はうつろに窓に視線を留めていた。


「「…………」」


差し込む陽の光で朝になった事は分かるが、心はまだ昨日のままを引きずっている。


長い夜だった……


堪え難いほど苦悩しながら、やっと一夜を明かしたのだ。心身ともに疲れていた。


「あら早いのね」


同居している叔母が起きて来てリビングの二人に声をかける。

珍しく早起きでもしたのか——

だがそれはすぐに打ち消した。

見れば着ている衣服が昨日のままだ。


「ずっと起きていたの⁉︎」


……何も返事はない。


「……どうしたの?」


叔母は顔を曇らせた。

何も寄せ付けない、踏み込めない雰囲気がそこにはある。

しかし、叔母はこれが初めてではない事を思い出した。


主には薫だが、前はよく思い詰めた顔で、こんな風に物思いにふけっていた事があったのだ。

そして透も思春期だ。自分には分からない、いろいろ悩みがあるのだろう……

心配するも、どうして良いのか手段が分からず叔母はその場を後にする。

また、沈黙が残された……


「……ハァ、」


しばらくして、ようやく透が動き出す。

チラッと薫に目をやった。


「…………」


うつろな瞳、喪失感……

暗くて深い淀みの中に妹は身を委ねている。

見てるとまた自分もそこに落ちそうで、透はグッと身を堪えた。