「……っ⁉︎」
何が起こったのか分からない透が、ポカンとその場に立ち尽くしている。
でも、
「邪魔するな役立たずっ!」
その言葉にハッとなり、すぐにサヤを取り押さえた。
「……やめっ……離せっ!」
「おとなしくしろっ!」
「指揮官の息子だからって偉そうにっ!」
後ろから羽交い締めにされ、サヤは手足をバタつかせる。
「離せえぇっ!」
「暴れんなっ!」
「この暴力バカ息子っ! 指揮官にこのこと言いつけてやるっ!」
「……たく、とんでもねえ奴だな」
まだちょっと騒がしいけど、その場の緊張感がだいぶ緩んだ。
……ふう。
一段落し、あたしは胸をなでおろす。
すると、
「……美空、さん……?」
薫がぼんやりつぶやいた。
「……薫? どうしたの?」
「……美空さん、さっき……」
「うん?」
「さっきの、何?」
「なにって?」
「手から、何か出た」
……ああ、
「バリアーだよ」
あたしはポロッと口にする。
「「バリアー?」」
いつの間にか近くまで来ていた透と薫の声がかぶる。
サヤの動きを封じながら、透は眉間にシワを寄せた。


