SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「……なあ、美空! おまえ、本当にイジメられてねえのか!」


……?


「イジメって? あたし、それがよく分からないんだ」


「……! そのケガは! どうしたのかもう一回ちゃんとオレに言ってみろ!」


「……ケガ……」


「ああ、そのケガは一体どうしたんだ!」


強い目力のその瞳。

あたしの顔の表情を少しも見逃すまいとしているようだ……


「……あ〜。 これは……」


あたしは自分の体を見回す。


「これは男にやられたんだ」


切り傷と火傷を指差しながら、あたしは透にそう言った。


「……男?」


「うん、森で闘ったんだ。そしたらそいつ、すごく強くて、防ぎきれなくて」


「……本当に、パトロールで……」


「うん。でも、」


今度は打撲の痕を差す。


「これはサヤがぶん殴った。常識の指導なんだって。帰るの遅いし汚したから、あたし……」


「「「……っっ……!!」」」


一瞬にして場の空気が凍りついた。