SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「嘘をつく事でしか自分の存在意義を見いだせないなんて、アンタってかわいそうな奴ね。なんか同情してきちゃった。

……ハァ、もういいわ。嘘をついた事、今回は大目に見てあげる。

ほら、いつまでもそこで潰れてないで早く皿洗いでもしなさいよ」


サヤはくいっとアゴを動かす。


「……わ、かった……」


あたしはヨロヨロ立ち上がった。

ところが、立った瞬間立ちくらみがして、あたしはガクッと膝をついてしまう。

その拍子に、どこか傷口が開いたのか、白い玄関マットに血が垂れた。


「ああっ!」


サヤの表情が一気にこわばる。


——ドカッ!

強くあたしを蹴り飛ばした。


「よくも汚してくれたわねっ! 買ったばっかの、ユリ姉さまと一緒に選んだやつなのにっ!」


——ゲシッ!


一度は治まりかけたサヤの怒りに再び火がつき燃え上がる。

しかもさっきより怒りは凄まじい……


「同情した私がバカだったわ! やっぱりアンタは最高にムカつくっ!」


“ガンッ! バキッ! ……ガツ!”


「この生きてる意味ナシ価値ナシ人間! アンタなんかさっさとココから出て行ってっ!」


“ベキッドカッ! ガンッガンッ!”


モップでめちゃくちゃに殴られて、

あたしはもっと傷だらけになった……