「いい? 役目っていうのはね、ユリ姉さまや誠兄さま…… D.S.Pのみんなのように国の大仕事を任されてこそ役目だなんて言えるのよ!
能力者と闘った事もないクセに……!
地域安全パトロールぐらいでアンタが役目だとか言ってんじゃないわよ!」
「でも、ちがう、あたし、」
「なによ! 何が違うのよ!」
「あたしだって能力者と闘ってる」
「……は?」
「だから、あたしも能力者と……さっきだって——」
「——アンタッ!!」
——ガッ!
モップの先端が喉を突く。
「……っ、」
急に息が苦しくなった。
「……っ、 ……ゴホッ、」
「前に言ったわよね? 能力者と闘ってるだなんて、そんな嘘……二度と私に言うなって」
「……ハ 、アッ……」
「ほんと、とんだ嘘つきね」
「……ハアッ、」
嘘じゃないのに……
あたしはぼんやりサヤを見る。
サヤは軽蔑した目をあたしに向けた。
「……まあ、分からなくもないけど? その見栄を張りたい気持ち。
アンタはD.S.Pをクビになった劣等生。 嘘でも何でも大きな事を言って注目を集めたいのは当然よね」
「…………」
「でも、能力者と闘ってるっていうのはあまりにも見えすいた嘘じゃない?
実際は地域安全パトロールでさえアンタにはいっぱいいっぱいなんでしょう?
能力者でもない、たかが一般人相手にそんなにボロボロになってたんじゃ……これがもし本当に能力者だったらアンタ一瞬で死んでるわね」
「…………」


