SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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「……っ、 ……ハァ、」


家に帰ったのはもうだいぶ遅い時間だった。


……危なかった……


さっきは一瞬の油断が勝敗を分けた。

ギリギリ運を味方につけ、なんとか役目を終えられた。

だけど体にはあちこち傷や火傷の痕……


「ハア〜、」


息を整え、あたしは家の玄関を開ける。


——ガチャ、

「ただい——」
「おそいっ!」


——ベキッ!

入るなりモップで頭を殴られた。


「……っ、」


能力者との闘いでだいぶダメージを受けていたあたしは、めまいを起こして倒れこむ……


「……はあ⁉︎ なにアンタ、ボロボロじゃない……何やってたのよ」


汚いものでも見るようにサヤはあたしを見下ろした。


「……しるし、が……」


「しるし?」


「……あ〜。 パトロール、だ 」


すると、すぐにサヤの顔色が変わる。


「アンタ! まさか昨日私が言ったこと忘れたんじゃないでしょうね!」


「……え?」


「働く、稼ぐ、自立するの常識よ! 早くお金ためて出て行けって言ったでしょ!」


「……そ、れは……」


「てっきりバイト探しでもしてんのかと思ったらパトロール⁉︎ ……はあ〜ん、そんな一円にもならない事を性懲りもなく……」


「……だって、役目、だから……」


「はあ? 役目? それが? そんなものが……」


「……?」


「フザけんじゃないわよっ!」


バカにしたような顔の後、サヤはあたしを怒鳴りつけた。


「…………」


「……ったく、」


面倒くさそうにサヤが言う。