「……ハア、」
聞こえるため息……
「……そうだね。またオレの悪い癖。ちゃんと見てないのに決めつけるのは良くないよね」
しばらくして再び湧人が喋りだす。
「……?」
「ねえ、今からみくの家に行ってもいいかな?」
唐突にそんな事を切り出した。
「……え?」
「実はずっと遠慮してたんだよね。会議室とかあるって言うし、見られたくないものとか……あるんじゃないかと思ってさ」
「……でも……」
「黒木さんとユリさん、オレに会いたいって言ってたんだろ?」
「……え。 ああ、うん」
「だったらいいよね? オレも会ってみたいし。黒木さんとユリさん、そのサヤって人にも」
「……サヤ、にも?」
「うん、会ってみたいな。そんなにみんなが好きって言うなら……オレだって」
「……う、ん……」
「じゃあ決まり」
……?
笑ってるけど、笑ってない?
不思議に思いながらも、あたしは湧人と会話を続ける……
「でも、黒木とユリ今いないんだ」
「サヤって人はいるんでしょ?」
「いるけど……あ! 今、思い出した。男連れ込むのダメの常識だったんだ」
「ふうん。じゃあ、この間ここに来た薫って人も一緒に。それなら別に平気じゃない?」
「でも薫、今日も明日も出かけるって」
「……そう、なんだ……」
「別の日。いつがいいかなあ?」
「……ハァ。なるべく早いうちがいいんだけど」
その後も、笑ってるようで笑ってない、湧人に首を傾げながらあたしは口を動かした……


