"ガタンッ!"


意識が目覚める。
そこは見慣れた学校の教室。


「「「「……⁉︎」」」」


突然立ち上がったあたしに、教室にいたみんなと先生が驚いている。


「あま……つかさん? ……なにか?」


引きつった顔の先生。


「……あ、 ……なにも」


あたしはすぐに座り直した。


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——帰り道。


「おまえ最近、前にもましてボーッとしてねぇ?」


透が呆れた様子で聞いてくる。


「この間の中間テストもさんざんだったみてえだし、どうかしたか?」


「あ〜、」


テストがほとんど赤点だったのはESPが不調だったから。


「なんでも、ない」


あたしは言葉をのみ込んだ。


「……ふうん。そうかよ」


一瞬険しい顔をして、透はスっと前を向く。


「そういや薫がな——」


また、何か話をし始めた。


「…………」


正直、あたしは上の空だった。

まだ半分夢の中にいる気分……

先ほどのあの忌まわしい映像が頭にこびりついて離れない。

それにあの声……


「…………」


まるで何かを予感させるような、嫌なものが胸に渦巻く。

……と、


"キイイイッ!!"


突然響くブレーキ音。

一台の暴走自転車があたしの方に突っ込んできた。


「……! あまつか!」


——グイッ!

とっさに透が引き寄せる。

自転車はあたしの体をギリギリかすめて何ごともなかったように走り去った。