SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


最近、D.S.Pの環境も変わりはじめていた。

前にあたしが全国の隠れPSYの持ち主を探し出したリスト、

それを元に、国家公安委員とD.S.P関係者たちが一斉に能力者集めに乗り出したのだ。

今、D.S.Pは能力者たちで溢れている……

事件がない今の時期、武田トレーナーを筆頭に先輩能力者たちも人材育成に力を注いでいた。


……まあ、


一つ違うのは事件がないって言ってる事。

D.S.Pに事件がない理由、それは全部あたしがやっつけているからだった。


「さ〜て、今日も行ってくるかあ〜!」
「そうね、そろそろ行かなきゃね」

「じゃあ、オレも帰ります」


三人はスッと席を立つ。


「サヤ、美空のこと頼むわね! 美空、サヤの言う事をよく聞くのよ! 私たちがいない間はサヤが美空の教育係なんだからね!」


「サヤの言うコト聞いてれば間違いナイ! 困ったコトがあったらちゃ〜んとサヤに相談すンだぞ?」


「……うん」


「お二人ともお気をつけて! 透さま、またいらして下さいね?」


「……ああ」


——パタン。

三人はマンションを出て行った。


「……ハア〜、」


すぐに聞こえる大きなため息。


「……あ〜、かったる……」


無表情になったサヤがドサッとソファに座り込んだ。


「…………」


……またか。

二人になると別人サヤが現れる。


「なに突っ立ってんの! さっさとテーブル片付けなさいよ!」


サヤはギロリとあたしを睨みつけた。


「また、あたしがやるの?」


「当たり前でしょ! アンタ、さっき二人に何て言われた?」


「……? えっと、」


「二人は “ サヤの言う事を聞け ” って言ったの! だからアンタは私には逆らえない! 私の命令は絶対聞かなきゃいけないの!」


「…………」


“ サヤの言う事を聞け ”

確かに、さっき二人はそう言った。


「そっか」


あたしはテーブルの上のお皿やコップを片付けた。