「…………」


あたしは無言でサヤを見つめる。

サヤはあたしと同じ15才だ。

能力も同じESP能力者で、透視や予知を得意としている。

力のランクはA〜DのBくらい。 でも、



「指揮官には多大なるご迷惑を……。わたくしがスランプに陥ってしまったばっかりに」


サヤは肩を落として涙ぐむ。

本人が言う通り、サヤは今スランプに陥っていた。

原因はよく分からないけど、ある日突然、力が使えなくなったのだ。

幸い、ESP能力者は他にもいるし、迷惑ってほどでもないらしいけど……



「大丈夫だってサヤ〜、スランプなんて誰にでも……なあ〜ユリ〜?」


「ええ! 気にする事ないわ!」


「……でも、やっぱり心苦しいですわ。戦力になれないわたくしなど……当然チームESPでは足手まとい。みんなに疎まれ、リーダーの弘和さまにも嫌われてしまい……ううっ!」


「ダア〜っ! 泣くなサヤ〜! ヒロカズは心のマズし〜ヤツなんだ! Aランクじゃなかったら只のカスキチえろザル男だ!」


「まったく、人数が多いとどうして足の引っ張り合いが起きるのかしら。ホント、チームESPは苦労するわね」


「こ〜んなカワい〜サヤをイジメるたぁ、あいつらアタマどーかしてるぜ」


「サヤ! サヤの事は私たちが守ってあげる! しばらくは何も考えずにゆっくり休養してればいいのよ?」


「……ううっ、こんな優しいお兄さまとお姉さまがいて下さって……サヤは幸せ者ですわ。

お二人がいなければ……わたくしは今頃どうなっていた事か……」


「「……サヤ……」」


また黒木とユリが抱きしめた。