「……っ! てめっ、アニキに何て事っ!」
「ごめん、だって……」
「だってもくそもあるか! オレよりひでえじゃねえかこのっ……痛っ……」
またも奏太が顔を歪める。
「……ああ、まったく……」
奏太の体を支えながら、やれやれと一樹が口をはさんだ。
「ですから、わたしには分かりますから。美空の本音も、あれがわたしに言った言葉ではない事も。そんなに気になさらぬように……」
「……でもっ、アニキ……」
「只でさえ美空は話すのが不得意なのです。奏太もあまり目くじらを立てないように……そんなに怒ると傷に障りますよ」
「……っ、」
奏太はぐっと押し黙る。
"ジワ〜ッ"
……?
「ねえ奏太、ケガ、治そうか?」
あたしは右手のしるしを見つめて言った。
「……は?」
「出来るのですか?」
「うん、できる」
言いながらあたしは奏太を抱き締める。
「……っ、おまっ、血っ……」
"ファアアア……"
あたたかな空気が奏太を包んで……
体の傷を癒してゆく……
「できた」
しるしの力で、あたしは奏太のケガを全て治した。
「……あああっ⁉︎」
自分の体を見回しながら奏太が声を張り上げる。
「美空はたまに驚異的な力を発揮するのですよ」
奏太の肩をポンポンとし、一樹はクスリと微笑んだ。
「……え⁉︎ ……は⁉︎」
「しかし、まだしるしの力が?」
一樹があたしの右手をのぞき込む。
「うん。だって大事な話、まだ伝えてないから」
「……大事な話?」


