SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「玉ちゃん? みんな、どうしたの?」

すると、


「「美空っ!」」
「「どうしたっ!」」


急にみんなが慌てだした。


「……なにが?」


「何か肌と服の色が違うと思うたら」
「おまえ全身血だらけじゃねえか!」


「……血?」


……ああ、

なんだと思ったらコレの事か。

そういえば服はもちろん血しぶきで、腕や顔、髪も血で濡れてしまっている。


「大丈夫。あたしの血じゃない。ちょっとあっちで、いろいろあって……」


「「「……??」」」


「とにかく、平気。それより、」


あたしは鬼のお面に指をさす。


「どうしたの?」


気になった事を聞いてみた。


「……ああ、これはその……」

「正体がバレぬように美空を真似て変装をだな……」


「……変装?」


「いや、なに……途中からどうも男の様子がおかしい事に気付いてな。

あまりに過酷な暴力に、このままでは奏太の命が危ないのではと……

さすがに居ても立ってもおれなくなったのだ」


「踏み込もうとした所にお前が……」


「助けようと、してくれたの?」


「「……まあ、な……」」


玉ちゃんと凌駕が声を合わせた。


「そうだったんだ。みんな、ありがとう」


「……だが、ワシらの出る幕ではなかったようだな」


「何となくの事情は分かった。おそらくD.S.Pの……あれが本当の兄貴で、弟の危機を知り、急いで駆けつけたという訳か」


「……あ〜、うん、」

 
「……兄弟か……」
「良いものだな……」


そう言うと、クルッとあたしに背を向ける。


「どれ、ワシらはもう行くが……」
「お前はどうする、一緒に来るか?」


「ううん。あたし、まだ二人に用があるから」


「そうか。ではまた折を見て連絡する」

「お前にはまだ秘密がありそうだ。次の機会にゆっくり話を聞くとしよう」


幹部たちが一礼し、鬼頭会は立ち去った。