SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「……っ⁉︎」


「一樹、早く! 一緒に行こう!」


「どうしたのです、どこへ……」


「奏太のとこ! あたし会わせるの約束なんだ!」


すると、一樹は顔を曇らせた。


「美空、その件でしたらもう……。それに一度話せというしるしの意思には応えたはずです。

わたしの気持ちは通信での通りです。

何を約束したかは分かりませんが、今後もわたしの思いは変わりません……」


「だって奏太が会いたがってる! 一樹だって本当は……」


「会わない方が彼の為です」


「…………」


……またか。


何度も聞いたそのセリフ。

会わない方が彼の為。

奏太の、ため……


「もうっ! そんなの余計なお世話だと思うんだ!」


一樹を見上げてあたしは言った。


「本当に奏太の為だったら二人は会わなきゃだめなんだ! だってそれがしるしの! しるしのっ……!」


「……っ⁉︎」


「やっと分かったんだ! しるしがあたしに言いたかった事! 二人は離れちゃだめなんだ!」


あたしは右手を前に突き出す。

しるしはジワ〜っと色を強めた。


「……っ!」


「お願い一樹! 死に逃げしないで! 忘れもの取りに行って! 奏太のこと、宝物なんでしょ!」


「……っ!」


一樹は某然とあたしを見下ろしている。


「ねえ! 一樹!」


「……っ、」


「もうっ! 早くしないと奏太が死んじゃう! ニセモノのアニキに殺されるんだ! いいの! 奏太が死んじゃっても!」


するとサッと一樹の顔色が変わった。


「……どういう、事です……」


やっと一樹が口を開く。