SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「だって奏太が行っちゃうから」


「おまえが愚弄するからだろう!」


「……ぐ、ろう?」


「いいから早くここから出せ!」


「いやだ」


「おいッ!」


奏太はバリアーをドンドン叩く。


「ムダだよ。今日は透明だし。それ、銃で撃っても平気なんだ」


「……っ! ザケんなッ!」


「もう。なんで奏太はいちいち怒るの?」


「おまえが怒らせるような事をしてんだろうがッ!」


「なんで? あたし本当のこと言ってるのに」


「本当の事ってなんだッ! アニキが生きてるとかいう話の事かッ!」


「うん、そう」


「……っ、いい加減にしろッ! アニキは死んだと何度言えば分かるんだッ!」


「そんなに死んだがいいの?」


「……っ、」


「生きてるはダメってこと?」


「黙れッ! 何も知らねえくせに……おまえが余計な口を出してんじゃねえッ!」


「…………」


何も知らない……

ふうん、何も知らない……

何故だか心がイライラしてくる。


「じゃあ、奏太は何を知ってるの」


「……あ?」


「一樹の能力の事、何をどれだけ知ってるんだ!」


あたしは奏太に詰め寄った。


「……っ、 ……は?」


「一樹から聞いた。家族にはほとんど能力言わなかったって。だって話しちゃダメだったから!」


「……ああ?」


「催眠、遠距離会話、映像送信、行動操作」


「……何を言っている」


「記憶操作だって出来るんだ!」


「……は? 記憶操作?」


「一樹はすごいやつなんだ! 心を読めるだけじゃない!」


「……っ……なん、なんだ……」


すると、


"ピー!"


頭に響く高い音質……