SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


————その後……


「おまえ昨日から何やってる」


アジトの裏の小さな公園……

誰もいないその場所で、あたしと奏太は肩を並べて座っていた。


「やってる事がマジでストーカーじゃねえか」


「……うん?」


「何をする訳でも、何を言う訳でもねぇ。ただオレを監視して……」


「……あ〜、」


「しかもなんだその頭。清楚系はどうした。何故にそんなハゲアフロだ……」


「……はげ……」


あたしは自分の頭に手をあてる。

犬から取り返したはいいけれど、さんざん食いむしられたアフロはすでに所々がハゲていた。


「……で、一体何の用だ」


「……え?」


「オレに用があるんだろう。これ以上付きまとわれても迷惑だ。さっさと済ませろ」


奏太はムスッと前を向く。


「…………」


用があるのは、あたしじゃなくて……


「……えっと……」


「この間の事を謝りに来たのか。それとも、またアニキが生きてるとか何とか言いに来たんじゃねえだろうな」


……?


「うん。一樹は生きてる」


「……ハァ、」


奏太はサッと席を立つ。


「なら話は終わりだ。帰れ」


そう言うと、アジトの方へと歩いて行った。


「……奏太!」


あたしは奏太を追いかける。


「……待って!」


「…………」


「……ねえ!」


「…………」


「……ハッ!」


あたしはバリアーを放出する。

奏太を球体に閉じ込めた。


「……!」


一瞬、何が起こったのか分からない様子で、奏太はハッと息を潜める。


「……おまえ!」


すぐに気付いてあたしを睨んだ。