SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


——ヴォン、ヴォン!

「「あ、ちーす!」」
「「おつかれーっす!」」


暗くなると、派手な少年たちがアジトにいっぱい集まってきた。

談笑したり、雑誌を見たり、ごはんを食べたり、ふざけ合ったり……

外からは明るい中の様子がよく見える。


……えっと、奏太は……


あたしはそろりそろり、アジトへ近付く。


——パチ!

外でバイクをいじっていた、少年たちと目が合った。


「「「……⁉︎」」」


少年たちは怪しむようにあたしを見ている。


「…………」


——ザッザッ!

くるっと背を向け、あたしは黙々そうじした。


「「おい、集合〜!!」」


しばらくすると、外にいた少年がみんな中へと入っていった。

どうやら恒例の作戦タイムが始まったらしい。

みんなビシッと真面目な顔で大きな円陣を組んでいる。

そのうち、


「よっしゃ! 行くか!」
「じゃあ今日もよろしく!」

「「「第一陣出発っ!!」」」


半分くらいの人数がぞろぞろ外へ歩いてきた。


"ブオン!ブオン!"
"ボボボ!ボボボ……!"


うるさいバイクのエンジン音があちこちから聞こえだす。


……あ。


幹部のテル、アオ、遅れて奏太も外へと歩いてくる。


「「……??」」


他の少年たちはスルーしたのに、テルとアオがあたしに気付いた。


「……なんだおめえ……」
「……何してるのかな?」


あたしが “ 美空 ” だという事は全然なにも気付いてない。


「放っておけ」


一人気付いた奏太だけは冷たく言葉を投げ捨てた。