SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


〈 “ どういう意図かは知りませんが、あなたの意思には応えましょう! ですがその為に美空を苦しめるような事は即刻やめて頂きたい! ” 〉


心の声でそう言った。


「……いつき……」


〈 “ 承諾すると言っているんです! ですから、どうか美空を休ませてあげて下さい!” 〉


"ジワ〜ッ"


……あ。


「いいって。一樹が、いる間は……」


「……そうですか」


グイッと肩を引き寄せられる。

あたしは一樹の肩にもたれかかった。


「昼過ぎには発たなければなりません。あと何時間もありませんが、それまで安眠出来るよう、わたしが催眠をかけましょう……」


そう言うと、あたしのまぶたに手をあてる。


「……あ……」


たちまち、あたしの意識は遠のいた。


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『ねえ一樹、そういえば久しぶり』


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夢の中……

あたしは一樹と会話する。


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『どうして会いに来てくれなかったの?』


『タイミングが合わなかったのですよ。いろいろ片付けなければならない事案もありましてね』


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『……しかし、美空もずいぶんいろいろあったのですね』


『うん?』


『ヤクザに暴走族、秘密漏洩まで……まったくどこから手をつけて良いのやら』


『みんないい奴なんだ』


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『ねえ、一樹って何才?』


『23です』


『奏太といくつ離れてるの?』


『5つです』


『ふうん』


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『……しかし、奏太も大人になりましたね』


『小さい奏太はどんなだったの?』


『だいぶヒネくれていました。でも根は正直で正義感も強く、無邪気で……少し幼稚な弟でした。

最新のゲームなんかより、家で鬼ごっこや隠れんぼ等をするのが好きでしてね、よくわたしが相手を……』


『なんだ、あたしを幼いって言うくせに、奏太だって……』


『少し、似た所があるかもしれませんね』


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久しぶりの一樹との時間。

夢の中で、あたしはいっぱい一樹と話した。


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