SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


……?

すぐに疑問がわいてくる。


「でもさぁ、家族幸せじゃなかったよ。奏太一人ぼっちだった」


あたしは事実を一樹に伝えた。


「……⁉︎」


「奏太、自分の家が嫌いだし、なんか心がズレてるんだ。一樹のこと自分が殺したと思ってる」


「……⁉︎」


「すごく心が悲しいんだ。心も体も傷だらけ。背中は黒い龍なんだ」


「……⁉︎」


一樹の眉間にシワが寄る。


「……まさか、そんなはずは……」


ゆらりと視線を動かした。


「ウソじゃない。一樹、あたしの記憶を読み取って。あたしの中の奏太を見て!」


「……っ、」


「ねえ、一樹!」


ためらいながら一樹はそっと手を伸ばす。

あたしの中の奏太を探った……


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「…………」


手を離した一樹の顔は、とても複雑なものだった。

悲しいような、苦しいような、悩むような、青ざめたような……


しばらくは言葉をなくして呆然とし、歪めた顔を手で覆って……

今は、力なく窓の外を眺めてる。


「……いつき……」


一樹は少しこちらに振り向いた。


「……わたしは皆が幸せでいるものと。全くもって勝手な思い込みだったのですね……」


「…………」


「罪深い事です。何も知らず知ろうともせず、6年も事実を放棄していたのですから……」


"ジワ〜ッ"

答えるようにしるしが浮かぶ。


「話をしろって言ってる」


「……?」


「しるしが。一樹と奏太で一度話せって」


あたしは新たなしるしの意思を伝えた。


「……っ!」


一樹はハッと目を見開く。


「……ハァ、」


すぐに首を横に振った。