「……ハァ。不眠症でしたか、でしたらすぐに」
一樹はあたしの額に手をあてる。
「だめなんだ」
あたしは一樹の手を取った。
「これは意思だから、解決しなきゃ」
「……意思?」
「だから、どうしても関わらなきゃいけない……
一樹と、奏太に……」
「……っ!」
一樹がピクッと小さく揺れた。
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「一体、どういう事です」
一樹が沈んだ声で聞いてくる。
あたしはさっき一樹が用意してくれたミネラルウォーターを一口飲んだ。
「もしかして、今日も聞いてないの? 黒木とユリに……」
「今日も? ……確かに何か言いたそうにはしていましたが。ほとんど別行動でしたので……」
「…………」
「ただ帰り際、イギリスへ行くのは美空に会ってからにして欲しいと……二人が強く言うものですから」
「イギリス?」
「ええ。向こうの組織から協力要請がありまして」
「……そっか。一樹はしばらくイギリスに行くのか……」
あたしはクッションを抱き寄せる。
ぼんやりしながらギュッとそれを押し固めた。
「……美空、話して下さい。一体何があったんです」
「……うん?」
「あなた先ほど “ 奏太 ” と……。 わたしの弟と会ったのですか?」
「……あ〜、」
あたしは遠くの方を見る。
「友達、仲間、扇龍、総長……」
キーワード的なものを口にした。
「……はい?」
左から探るような一樹の視線。
……ああ、
眠すぎてうまく言葉がまとまらない。
でも伝えなきゃ。
一樹にちゃんと、伝えなきゃ……
「いっぱい会ってる。昨日も会った。会って一樹のこと話した」
あたしはぼーっと言葉を発した。
「……っ!」
途端に感じるこわばった気配……


