SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「……顔、どうかした?」


「おまえ鏡見てみろよ……すげえクマ出てんぞ、顔色も悪いし……」


「……そう……」


「……なんだ具合悪かったのかよ。悪かったな、ズル休みとか言って……」


「…………」


「……ほら、無理しねえで寝てろよ。黒木さんたちもう少しで帰ってくんだろ?」


「……うん……」


「なんなら帰って来るまでオレがついててもいいけど……」


「ううん、大丈夫」


「……そうか。じゃあ担任にはオレから言っとくな。おとなしく寝てろよ……」


——バタン。


「…………」


閉じた扉をしばらく見つめる。


おとなしく寝てろって……


あたしだって、おとなしく寝たいのに……


「……もう、」


ペタンと床に座り込む。


"ジワ〜ッ"


昨日からしるしの様子も違っていた。

浮かんではすぐに消えていたしるしが、今は10秒くらいはキープしている。

ビリビリ攻撃といい、早く解決しろとか伝えてきたり……

もしかして、しるしの力が戻りはじめてきているの?


「…………」


……わからない。

寝不足すぎて頭にモヤがかかってる。


"ピンポーン"


……?

また、誰か来たようだ。

ぼーっとしながらドアを開ける。

……と、


「美空! 大丈夫ですか!」


……!

一樹がそこに立っていた。


「……いつき……」


「今、下で透くんから聞きました。美空、どこか体調がすぐれないと……」


「……いつ……」

——ドサ!

一樹の胸に倒れこむ。


「美空っ!」


「良かった。会いたかったんだ」


「……⁉︎ 一体どうしたというんです!」


「あたし、寝不足なんだ……」


「……寝、不足……?」


力の抜けた一樹の声。