「それより、今度は奏太の番」
「……あ?」
「話せば話してくれるって言った」
「…………」
「奏太の話の続きが聞きたい。一樹、どうして死んだってなっちゃったの?」
あたしは奏太に詰め寄った。
「……っ、」
「……ねえ」
「……ハァ、」
奏太はスイッと視線を外す。
「一体どこまで視えたんだ……」
観念したようにダラリと大きく姿勢を崩した。
「そんなにアニキにこだわるなんて、何か勘付いての事なんだろう……?」
「…………」
「……そうだ。オレのアニキもいわゆる超能力者だった。アニキは人の心を読む事が出来たんだ」
どこか遠い眼差しで、奏太はゆっくり言葉を発した。
「……うん。知ってる」
「……フッ、今さら人に話す事になるとはな。この事は家族以外秘密厳守だった。 ……つっても、オレの母親がアニキの能力を気味悪がっててな。家族の中でさえ、それを言うのはタブーだった」
「……オレの母親?」
「兄弟といっても血は繋がってねえんだ。オレが小4ん時、親同士が再婚した」
「……へえ、」
「そん時、オレはどうしようもねえ悪ガキだった。よく親や教師たちの手を煩わせていてな。 なんだか分からねえが毎日ムシャクシャしてたんだ。全てが全部投げやりで、周りがみんな敵に思えた」
「…………」
「問題児のオレに誰も人は寄り付かなかった。親も諦めた目でオレを見ていた。お前には何も期待してない、面と向かってそう言われたよ」
「…………」
「だが、アニキだけは違った。どんなにこっちが突っぱねても絶対にオレを見放さねえ。
うまく言えねえ気持ちや、どこにぶつけていいか分からねえ怒りをアニキは黙って汲み取ってくれた。
アニキのおかげでオレは変われた。次第に周りにも心を開けるようになったんだ」
「……そう、だったんだ……」


