————そして、朝。
「……全然、眠れなかった……」
リビングであたしはぼーっとしてる。
昨日は寝ようとするたびしるしに起こされ、結局、一睡もできずに朝を迎えた。
……もう。
別に何もしないって言ってる訳じゃないのに。
ただ黒木とユリが待てと言うから、言う通りにしてるだけなのに。
"ジワ〜ッ"
「…………」
肝心の黒木とユリはまだ帰らない。
"ジワ〜ッ"
「もう! 分かった!」
あたしは身支度を整える。
「もしもし透? 今日学校休む。 ……えっと、寝不足だから出かけてくる」
途中、透に電話をし、あたしは奏太の所へ急いで向かった。
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「……はあ〜、 やっと着いた……」
忘れてたけど、扇龍までの道のりは遠かった。
時刻は12時ちょっと前。
あたしはフラ〜っとアジトに入り込んだ……
「……えっ……」
中に入ると見違えるほどキレイになってて驚いた。
前は黄ばんでいた壁や天井が真っ白だ。
ああ、そういえばリフォームしたって言ってたっけ……
あたしはキョロキョロ中を見て回る。
すると、
「「「……オイ!!」」」
複数の少年たちに出くわした。
……あれ。
なんだ、平日だからみんな学校だと思ったのに。
「……えっと……」
……? 見覚えのない顔。
そうか、そういえば扇龍も人が増えたと言っていた。
「「「……誰だてめえ!!」」」
少年たちは不審な顔で取り囲む。
「奏太に会いに来た。いる?」
「「「……ああ⁉︎」」」
一斉にみんなが顔をしかめた。