……?
あたしは湧人を思い浮かべる。
お母さんが死んだり、暴力を受けたり、湧人は辛い思いをしてきたけど……
でも今は乗り越えて、勉強も空手もがんばってる。
「うん。湧人はいっぱい強いと思う」
「「……へえ〜、」」
声を合わせて二人は頷く。
「Gアンチが満月の反応に効果アリ?」
「どうなってるのかさっぱり分からないわね」
それぞれ考えるように軽くアゴに手をあてた。
「ヨシっ! ナゾを解明する為、今からユウトに会いに行くぞ!」
「そうね! 美空がお世話になったんだし、ちゃんとお礼言わないと……」
二人はパッと立ち上がる。
……えっ……
「だめっ!」
あたしは前に立ちふさがった。
「「……美空??」」
「湧人は秘密の友達なんだ。だから、だめ!」
「……ヒミツ?」
「美空、ちょっと挨拶するだけよ?」
「だめ。 黒木、絶対なにかする」
「……へ?」
「なにかって何を?」
「かじる! 食べる! のみこむ! 湧人かわいそう!」
「……でえ〜っ⁉︎」
「……美空、さすがに誠さんもそこまではしないわよ」
「でも、なんかやだ!」
「「ええ〜??」」
二人は不満そうな顔をした。