SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


——ザリ……


黒いスーツの男たち。

山川組のヤクザたちが扇龍メンバーに迫ってゆく……


「「「ガキがッ!」」」
「「調子乗んじゃねえぞッ!」」

——バゴッ!

すぐに攻撃し始めた。


“ヒュン! ガッ! ガッ! ドガッ!”


さすがはヤクザ。
覇鬼を上回るその実力……


「「「……ッ!!」」」
「「「……ぐっ……」」」


覇鬼も加勢し、扇龍は苦戦を強いられる。


——ザッ……

「ヒヒッ」
「お前が次期大熊組か」


奏太にはより多くのヤクザが取り囲んだ。


「「「若い芽は摘んどかねえとなあッ!」」」

—— グワアッ!!

雑魚田以上の実力者たちが、容赦なく奏太に襲いかかる。


「チッ!」


“ギイッ……ガンッ! ガラア!”


攻撃をかわしながら、奏太はその辺のテーブルやイスでうまく間合いを取ってゆく。


“ガッガッ! スパン! バキッ……ズドッ!”


ヤクザ相手にも奏太はけしてひるまない。
攻撃を見切ると次々ヤクザに反撃した。


……なんだ。


やっぱり奏太、さっきは全然本気じゃなかったみたいだ。

雑魚田の時とは比べ物にならない、俊敏な動きと攻撃力で相手をどんどん蹴散らしてゆく。

……でも、


——ザザ……!


“ガンッガンッガンッ! ……ゲシッ!”


ヤクザたちは息つく暇も与えない。

また多くのヤクザに取り囲まれ、奏太は格闘を繰り広げた……


「…………」


……?

あたしはふと、ある事に気づく。

あたしには、誰も、何も襲ってこない。

そればかりかヤクザに引き離されるように、どんどん人が遠ざかる。

あたしだけが不自然にポツンとひとり取り残された。