SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「ねえテル、ハサミはどこ?」


あたしは格闘中のテルに聞く。


「……あ゛⁉︎」


「ハサミ、ないの?」


「……っ、アホかっ! 今それどこじゃねえっ!」


テルはすごく忙しそうだ。
ちっともこっちを見ようとしない。

そこへ扇龍メンバーが数人加勢に回ってきた。


「オラ! 早く下がれ!」


少し余裕の出来たテルがやっとあたしの方を見る。


「……⁉︎」

あたしの持つ起爆装置に目をとめた。


「テル、これ爆弾」


「……っ……なっ! ……なんっ⁉︎」


テルはザザッと後ずさる。


「……でえっ! ……はああ⁉︎」


「ハサミは? 早くどっか切らないと」


「……ちょっ、待て! 落ち着け! いいか! 慌てるな!」


青ざめながらテルがワタワタ動き出す。

そこへ、


「おまえっ! 何やってるっ!」


やっと決着がついたらしい、奏太がこっちへやってきた。


「……っ!」


苛立ちの表情から一変、あたしの持つソレに、奏太はハッと息をのむ。


「はい奏太、これ爆弾。早くしないと爆発する」


「……っ……」


差し出すと、奏太はピシッと硬直した。


……?


「……ねえ、ハサミ……」


「……お、 ……おら……」


低姿勢の格好で、テルがあたしに何かを突き出す。


「二、ニッパだ……これでいいか?」

「うん」


ハサミに似たのを受け取った。


「……おい……」
「……美空……」


「大丈夫」


座り込み、早速あたしは集中する。


"……ジジジ……"


……複雑な配線だ。

間違えて切ればその時点で爆発する。