SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


————やがて、


“……ボボ……ボボボ……”


にわかに外が騒がしくなる。



“……ブボボボボボボ……”
“……ウ゛オン、ウ゛オン……”
“……ウ゛オオオ——ンッ……!!”


たくさんのバイクのエンジン音。

そして、


——ウ゛オオオ————ンッ!!

……ゴグシャ————ンッ……!!



「「「……ッ……」」」


入り口から無人のバイクが突っ込んできた。


「「「……らあッ……!! 」」」

——ガゴンッ……ダダダダ……!!!


大人数がアジトになだれ込んでくる。



「「「扇龍ゴラアッ!!」」」
「「「くたばれやっ!!」」」

"バキッ! ズガッ! ……ゴッ!"


すぐに乱闘が始まった。


"ヒュン! ……ヒュオッ!"


振り乱れる鉄パイプ。

やはり頭数は覇鬼の方が断然多い。

でも実力では扇龍もけして負けてはいない。

たとえ2対1だったとしても、確実に敵を倒してゆく……


「「「……オラアッ!!」」」

"グワン! バキッ! ……ゴッ!"


「「「……クソがッ!!」」」

"ボスッ! ……ガッ! ガキッ!"


中でも扇龍幹部の実力は本物だった。

4、5人相手にも全く動じず、俊敏な動きで相手をどんどん沈めてゆく……


「……哲平……」


陽菜の声が微かに震える。

あたしと陽菜、中学生くんたちは少し離れた幹部の間にいる。

さっき奏太が無理やりここへ押し込んだ。

自分も闘うって中学生くんは嫌がったけど、今は物陰からその様子を見守っている。