SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「シャア! 腹くくるか!」
「おお! 今日こそケリつけてやる!」
「おめえらっ! 急いで準備しろっ!」


一斉にみんなが動き出す。

服の下、体のもろい所にプロテクターを装着し、鉄板入りの靴を履く。手にはぐるぐるテーピング……


「…………」


あたしは、そんなみんなを目で追った。


……なんで……


薫のこと、全然知らないはずなのに、助けようとしてくれる。

どうなるかも分からないのに、みずから敵に挑もうとする。


……これが、仲間か……



「いい奴らだろ」


岩男がつぶやく。


「いい、奴らだね」


あたしはコクンと頷いた。


……よし。


さっと頭を切り替える。

ESPを全開にしてすぐに薫の居場所を探った。


「…………」


ふうん、そうか……


あたしのESPは、別行動する覇鬼と次男坊率いる山川組を感知する。

薫は次男坊と一緒にいる。けど、


「……先に覇鬼、か……」


遠くを見つめてあたしは言う。


「奏太。今から覇鬼がここへ来る。覇鬼全員がみんなここに……」


「……っ!」


「シビレ切らした。すごくイライラ。あっちも、覇鬼も決着つけたがってる」


ヤケになった覇鬼の動きが感じられる。

逃げ道を封じるように、四方八方からこちらに向かってくるのが分かった。


「フッ、望むところだ」


奏太はまっすぐ前を見る。


「お前らッ! 今から奴らがここへ来る! 迎え討つぞッ! 戦闘態勢整えろッ!!」


あり余るほどの気迫を飛ばした。


「「「「オオオ————スッ!!」」」」


もはや恐れや迷いは一切ない。

覚悟を決めた瞳には強い闘志がみなぎった。