『最近、よく連絡をくれる人なんです』
ふいに薫の言葉がよみがえる……
『見た目は不良っぽいけど、とても優しい人で……まだ知り合ったばかりなのに、彼といるととても気分が安らぐの』
この間会った時、薫はあたしにそう言った。
……ああ、
あの時、心がモヤッとした感覚……
嫌な予感はあったのだ。
そしてたぶん予知してた、薫に何か危険が迫っている事を……
「……行かなきゃ……」
あたしは走り出す。
——ガッ!
奏太があたしの手を取った。
「待て! どこへ行く気だ!」
「薫……助けないと!」
「おまえ一人に何が出来る! 考えなしに動くな!」
「だってしるしが! 薫が! あたし!」
手を振り切って再び走る。
「勝手な行動は許さねえッ! お前も仲間なら総長であるオレの指示に従えッ!!」
怒鳴り声があたしを止めた。
「…………」
ピンと空気が張り詰める……
「……助ける」
「……?」
「その薫って女を助けに行く。お前が道案内しろ」
「……え、」
「お前の大事な奴なんだろ。だったらオレらも無関係じゃねえはずだ。 それと守るのは女だけじゃねえ、扇龍もだ。 覇鬼といずれ決着つけなきゃならねえなら……それが今だ」
「……奏太……」
熱い視線が集まっている。
固い決意と団結力がアジト中に満ちていた。


