SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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次の日の扇龍の朝は早かった。

昨日はそのまま、みんなアジトに泊まり込んだ。

念のために見回りをしたり、スマホやパソコンで情報収集をしたり……

何か落ち着かない様子で、それぞれ寝れない夜を過ごしたようだ。


それに引きかえ、あたしはあの後すぐに寝て、十分睡眠を取らせてもらった。

だって奏太、護身術うるさいし。

ESPも早く回復させたかった。


——シャアア!


今はアジトの片隅で、ぬるいシャワーを浴びている。

簡素な造りのシャワールーム。

昔、美容院だった所を改築したって言っていた。


「……ふぅ、」


シャワーを終えて外へ出る。すると、


「……おい」


岩男がヌッと道をふさいだ。


「……?」


今、奏太は仮眠中だ。

その間、岩男があたしの見張りに付いている。


「そんな格好でウロつくな。ヤロウはすぐに気持ちが浮つく……」


あたしに黒い衣服を手渡した。


「……これは?」


それはちょっと変わった服だった。

かわいいけどかっこいい、斬新なデザインの、動きやすそうな服……


「オレが昨夜仕立てたやつだ。テーマは闘う女戦士。お前にぴったりだろ」


岩男は得意げな顔をする。


「岩男、すごいね」


「ああ、黒ニーソも履いておけよ。生足は中坊への刺激が強えからな」


「……?」


「早く頭乾かせ、髪のアレンジが出来ねえだろうが。あと靴はコレを……」


人形みたいに、岩男はあたしをいじくった。