SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「奏太も、哲平も、陽菜も、岩男を岩男だって思うから……!」


「……?」
「……は?」
「……どういう事だ」


「もう! みんなゴツゴツ思いすぎ! 岩男は岩男だけど、岩男の中の岩男の男は岩男じゃないっていうか……」


「「……⁉︎」」
「……何を言っている」


「岩男の心はけっこう女だ!」


「「……っ⁉︎」」
「……はあっ⁉︎」


「繊細なんだ。だからすぐにムキになる。そんなにゴツゴツ思われたら、ムカついて、本当の本音、喋れないって」


「「「……っ⁉︎」」」


「ねえ、岩男のこと、今日から女の子だと思ったら?」


「「「……っ⁉︎」」」


三人は何故かピシッと固まった。



————その後……


アジトには見回りを終えたメンバーたちが少しずつ戻りはじめ、次の作戦に向けて体を動かしたり、あちこちでバイクの整備をしたりしていた。


「……不思議な女だな……」


隣の奏太がぼんやりつぶやく。


「長い間の扇龍のシコリを、いとも簡単にほぐしてしまう……」


……?


「扇龍は肩こりだったの?」


「……ふっ、」


奏太は小さく笑みをこぼした。


……?

よくわからないけど、今日の扇龍はちょっと違う雰囲気だ。

みんな一つにまとまってるというか、

昨日までとは違う、強い絆が感じられる。


「…………」


あたしはななめ奥を見る。

さっき陽菜と哲平は、気まずそうに岩男と何か話していた。

今はさっそく、手首を持ったりひねったり、護身術の基本の返しをやっている。