SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「……え? ……私⁉︎」


戸惑いの表情を浮かべながら陽菜はそれを受け取った。


——ガサッ……

中身を見た途端、


「……⁉︎」
「……は、あ⁉︎」
「……これは……」


三人はそれぞれ息をのむ。


「木刀、ガスガン、スタンガン、ナイフ、十手、スラッパー……」

「防弾ベストにパワーグローブ……」


中には、ありとあらゆる防犯グッズ。


「ネット? で、少しずつ集めたって言ってた」


「……え?」
「……岩男が?」
「……なんで……」


……えっと、


「どうせ、襲われるの分かってる。だったらそれなりに、心の準備、いろんな準備って」


「…………」
「どうせって……」
「それなりの、備え……」


「泣いてるのヒマがあったら、努力の姿、見せてほしいって」


岩男の言葉を伝える。

陽菜はハッと瞳を大きくした。


「あと、護身術」


「…………」
「……は?」
「……護身術?」


「うん。だってどうせ襲われる。覚えておいても、いいんじゃないかって」


「…………」
「……だから……」
「どうせ襲われるって……」


……う〜ん。


「あたしも、その方がいいと思う」


陽菜を見ながらあたしは言う。


「「「……?」」」


「予知の霊感。陽菜、あと5、6回は襲われる」


「「「……っ!!」」」


「だから、そうならないように、哲平が陽菜に教えてあげたら?」


「…………」
「「……っ……」」


陽菜は下を向いて黙り込み、

哲平と奏太は困ったように目配せする。

そのうち、


「……教えて、 哲平……」


顔を上げ、陽菜が哲平にそう言った。