「……陽菜……」
奏太も静かに入ってくる。
「……わ、たし……」
肩を小さく震わせながら、陽菜は再び口を開いた。
「……私、美空ちゃんがうらやましい。みんなの為に力になれてる美空ちゃんが……」
……?
「私にも霊感があれば良かったのに。そしたら、ちょっとはみんなの役にも立てていたかもしれない……」
「……陽菜……」
「岩男くんとだって、少しは仲良く出来ていたかも……」
「「…………」」
言葉が途切れる……
「あ————っ!」
そこでおもわずあたしは叫んだ。
「「……っ!!」」
「……おまっ……突然叫ぶのやめろっ!」
「……ごめん、 だって……」
「ああ⁉︎」
「そんなに、良くないから」
まずは思った事を口にした。
「「……?」」
「……なにがだ」
「霊感。いい時はいいけど、この前なんて、やたら霊が寄ってきて……」
「「「……⁉︎」」」
「悪霊が、毎日あたし、殺しに来るんだ」
「「「……っ⁉︎」」」
「血まみれの女、頭に斧が刺さったやつ、生首持った落ち武者、メスを持ったお医者さん、内臓飛び出た犬や猫……」
「「「……っ……!!」」」
「今もたまに。だから全然、良い事ばかり違う」
「「「……っ……」」」
三人の顔が引きつっている。
「それと、岩男の事なんだけど」
あたしは構わず言葉を続けた。
「嫌ってないよ。陽菜の事」
「「「……⁉︎」」」
「ただ、何て言えば……努力? を、してほしかったみたいで……」
「……?」
「……は?」
「……努力?」
「うん。ちょっと待ってて」
また思い出して走り出す。
大広間から大きな紙袋を持ってきた。
「はい。これ、岩男から」
サッと陽菜にそれを差し出す。


