SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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"……ジジジ……!"


「……んっ、」


お昼過ぎの幹部の間。

あたしはパソコン画面を見つめながら、ESPのセンサーを高めていた。


"……ジジジジジ……!"


「……んんっ、」


"ESP磁力、放射線視覚"

この能力を使えば、放射能、磁力、電波などを見る事ができる。

うまくいけば、回線を通じて覇鬼が発信する何らかの情報、その内容を読み取る事ができるのだ。

でも、


「……だめだ……」


あたしはグタッとうなだれる。

いや、


「まだまだ!」

——ガタ!

今度は立ち上がって目を閉じた。


"……ジジジ……"


"ESPミクロ聴力"

これは集音マイクのような聴覚。

さまざまな音の中から必要な音、話の内容を聞く事ができる。


 ……ザザ……


〔——麺つゆねえぞ、……て、い……〕
〔——この壷は……で、の……値……〕


 ……ザ……ザザ、ザ……


——バタ!

やっぱりあたしはうなだれた。

近所の声しか拾えてないし、雑音だらけで、あんまり内容が分からない。


……やっぱり。


トレーニングでもロクに出来なかったのに、突然出来る訳がない。


「……全然だめだ……」


こうなると、あたしのESP能力の低さが浮き彫りになる。

ココではすごいと言われる能力も、D.S.Pでのあたしのレベルは低かった。


「……探査と、ミクロ味覚……」


比較的高い能力はこの二つ。

ミクロ味覚なんて、ほとんど使った事がない。

そもそも、料理が出来ない、興味のないあたしが持っているのがおかしいのだ。

食べ物に含まれる調味料や異常な味を完全に見破るなんて、そんなの……


「今は何の役にも立たない!」