SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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「おい美空っ!」


幹部の間に奏太が駆け込んで来たのは、午前9時過ぎの事だった。


「おはよう奏太」


「おはようじゃねえっ! おまえっ! 昨日オレから離れるなと言っただ…………は?」


奏太の動きがピタリと止まる。

その目は、仲良く一緒にパンケーキを食べる、あたしと岩男を見つめてる。


「奏太、起こしたけど起きなかった」


「ハハ! 奏太は寝起きが悪いからな! まあ、でも族は基本夜型だけどな!」


「よるがた?」


「ああ。んでも奏太! そろそろ早起きにも慣れといた方がいいんじゃねえか? 夏休みもあと数日なんだからよ」


「…………」


奏太は口を半開きに、ぼーっとそこへ突っ立っている。


「……奏太?」


「…………」


「……奏太? どうしたの?」

すると、


「……何やってんだ、おまえら……」


上ずった声で聞いてきた。


……?


「ごはん食べてる。岩男が、さっき作ってくれたんだ」


「……っ⁉︎」


「オレの特製パンケーキだ。市販のに、ちょっと油を足してある」


「岩男、不器用なのに器用だった。見て。あたしのこれもやってくれた」


アップにした髪を奏太に見せる。


「……っ⁉︎」


見た事もないぐらい奏太は顔を引きつらせた。


————それから……


「ん〜。数が全然減ってない。なんで? 増えてるの気がする……」


アジトではいつもより早く、扇龍の作戦会議が行われていた。


"ジジジ"


あたしはタブレットという四角くて薄い、スマホより大きな画面を見つめながら、覇鬼の動きを探ってる……


「四つあるの建物。そこにいっぱい集まってる」


「全国から召集したんだろ。奴ら、いよいよ本気モードだな」


「場所はココとココと……みんなで、何か話してる」


「グループに分かれて作戦会議か」