……? 強い理由?
「よく分からない。でも……」
考えながらあたしは喋る。
「自分の身は、自分で守らなきゃ……」
「…………」
「だって、誰が助けてくれるって言うんだ」
「…………」
「強くなきゃ、何も出来ない。誰も守れない」
しるしの役目の事を考える。
そして、扇龍の事を考える……
「……迷惑かけたんだ、扇龍に。だから、あたしが出来る事をしたい……」
「…………」
岩男は某然とそんなあたしを見下ろした。
そして……
「……! お前まさか……!」
何かに気付いた顔をする。
「……? イワオ?」
「……フン! わざわざ扇龍に留まる理由はそれか! バカな覇鬼共はちっとも気付いてねえみてえだけどな!」
「……?」
含み笑いをする岩男に、あたしは首を傾ける。
「おもしれえ! 気に入った!」
そう言う岩男の表情は、前とは別人のようだった。
それから——、
「パインちゃん、良かったね」
「おう、あとちょっと遅かったらまじで手遅れだった……礼言うぜ」
あたしと岩男はいろいろ話した。
「……オレだって別にオンナを毛嫌いしてる訳じゃねえ。ただ……」
「だったらそう言えばいいのに」
「言う前に……泣きやがるからよ……」
岩男は、何て言ったらいいのだろう。
気を許した相手には、なんでも話すやつだった。
ほとんど岩男が喋っていたけど、
ほんとに別人かと思うぐらい、岩男はいろんな顔をあたしに見せた……


