SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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"カア〜! カア〜!"


「「…………」」


ベンチに二人。

朝のバキ退治が終了し、あたしと岩男は、アジトの裏の公園で、ぼーっと空を眺めていた。


「「…………」」


ヒョロヒョロ男はさっき岩男が家まで運んだ。

今は玄関の所で気持ち良さそうに眠ってる。


「「…………」」


犬の散歩の人が過ぎていく……


「「…………」」


"ワンワンワンッ!"


「……あさ……」


犬の声を合図にして、岩男がボソッと口を開いた。


「……?」


「……朝、扇龍が手薄になるのは分かっていた。だからオレは……」


「……うん」


「……さっきは……なにを勝手にウロウロしてんだとお前にムカついて……」


「……うん」


「……だが、」


岩男は少しこちらに顔を向ける。


「……驚いた。 ……知っているのか、奏太たちは……お前が闘える事を……」


じっとあたしの言葉を待った。


「……あ〜、まだ。 かくしてるつもり、ないんだけど……」


「…………」


「……うまく言えなくて。いろいろあって、いっぱいすぎて、どうしたらいいか分からない」


「…………」


岩男はヌラ〜と立ち上がる。

水飲み場まで歩いて行くと、


——シャアアア……!


勢いよく水を出し、バシャバシャ顔を洗い始めた。


「……フゥ、」


Tシャツのスソで顔を拭く。


「……オレは……」


……?

今度はきちんと顔を合わせながら岩男はあたしに切り出した。


「オレは今まで、女はみんな弱くて、何も出来ねえでオロオロして、すぐにビービー泣きくさる……そういうモンだと思っていた」


「……うん?」


「だがお前は……。分からねえ。お前が強い理由はなんだ」


「……え、」


射抜くような強い眼差し……