……ふう。
実はこれは分かってた事だ。
あたしには決めてた事がある。
朝に弱い扇龍だから、朝に縄張りに侵入してくる奴はあたしがやっつけようと思っていた。
「ほう、月島も幹部も側にいねぇ」
「いるのはボンクラただ一人……」
「朝方狙って正解だな」
「オンナ! 今日こそカタキ取らせてもらうぞッ!」
覇鬼が一斉にこちらに迫ってきた。
……よし、やるか。
ヒョロヒョロ男を地面におろす。……って、
「……え、」
男が全然離れてくれない。
「……おかん、メシ……」
変な寝言をつぶやいて、力いっぱい抱きしめてくる……
「……ヒョロ男、くん……」
ヒョロヒョロなのに、なんでこんなばか力……
そうこうしているうちに、
「……制裁ッ!」
——ブン!
鉄パイプが振り下ろされる。
……っ、
せめてヒョロ男くんにあたらないように、あたしはグッと衝撃に備えた。
ところが、
「……ぐわっ!」
——カラン……
その一撃は届かなかった。
……?
突然出来る大きな影。
……あ。
岩男がそこに立っていた。
「……イワオ」
「…………」
岩男はチラッとこっちを見る。
何も言わず、険しい顔でズンズン前に出ていった。
「「「「……ッ!!」」」」
覇鬼はジリジリ後ろへ下がる。
タイミングを計るように、それぞれ武器を持ちなおした。
……やがて、
——グワアッ!
「死ねやッ!」
「くたばれッ!」
一斉に覇鬼が襲いかかる。
"ゴッ! ガガッ! ……ゴッ!!"
「「「「……ッ!!」」」」
岩男の巨体が、その全ての攻撃を受け止めた。


