SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


とにかく、早く家に帰さないと……


「みんな心配、おうちに帰ろう?」


「ハッ! 帰還命令こころよく!」


"ジジ"


「おうちは……あっちだね」


おじいちゃんを連れて歩く。


「見よ〜とうかいの〜空あけて〜♫」


「おじいちゃん、戦争は終わったよ」


また歌い出すおじいちゃんを、あたしは家に送り届けた……


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"チチ、チュンチュン"


アジトへ戻る帰り道は、すっかり明るくなっていた。


"……ぬ〜〜ぼ〜〜……"


歩き疲れたのか、度々ヒョロヒョロ男の足が止まる。


「……ねえ、大丈夫?」

すると、


「……だ、め……」


しぼり出すようにそう言って、男の膝がガクッと崩れた。


「……え、」

——ドサッ、

そのままあたしに寄りかかる。


「……zzz…… 」


完全に眠りに落ちてしまった。


……仕方ない。

ヒョロヒョロ男を背中に乗せる。


「……おもい……」


半分引きずるようにして、あたしはゆっくり歩き始めた。


"……ズ……ズ……"


「…………」


"……ズ……ズズ…… "


「…………」


アジトまではもうすぐだ。

でも——、

あたしはいったん足を止める。

だいぶ前から気付いていたけど……


——ザッ!

やっぱり出くわす黒い人影。


「あらまあ〜これは奇遇だねえ〜」
「仲良く男とお散歩ですかあ〜?」
「まったくノンキなモンだよなあ?」


不敵に笑う男たち。

黒服の覇鬼が立ちはだかった。