SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



——次の日の朝は早かった。


右手のしるしが反応して、あたしは3時半に起こされた。


——ダダッ


昨日から自宅で寝泊まりしている、奏太の部屋へ駆け込んだ。


「ねえ奏太!」


「……zz ……」


分かってはいたけど、やっぱり奏太は起きてくれない。

……もう!

——ダダ!


「ヒョロ男くん!」


仕方なくヒョロヒョロ男を起こしてみる。


"……ボォ〜〜……"


良かった。こっちは眠りが浅いのか、とりあえずは目を開ける。


「お願い、一緒に来て!」


あたしはヒョロヒョロ男と家を出た。


"……ぬぼ〜〜…… "


ヒョロヒョロ男は寝ながら歩く。

でも、ちゃんとあたしの後ろをついてくる。


"……ジジジ…… "


まだ夜明け前の暗がりの中、あたしはESP探査で、ある人物を捜し歩いた。


『……不沈を誇る敵艦も〜……♫』


しばらく歩くと、どこからか歌が聞こえてきた。


『一発必中体当たり〜……♫』


……? 

道路の端っこに目を向ける。

……あ。

道端の側溝に、おじいちゃんがハマっていた。


「おじいちゃん、大丈夫?」


あたしはおじいちゃんを救出する。

さいわいケガもなく、おじいちゃんは無事だった。


「かたじけないっ! われは大日本帝国陸軍上等兵! 大村五右衛門と申しまする!」


「……大日本、ていこく?」


「上官! 敵艦はすぐそこに!」


「……?」


「欲しがりませんっ! 勝つまではっ! 天皇陛下バンザイ!!」


「…………」


……どうしよう、 ボケている。


「バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ!」