そういえばテルが言っていた。
『……奏太、雰囲気変わったな。あいつが人と一緒にメシ食うとは……』
少し驚いているようだった。
よく、分からないけど……
あたしは装ってる奏太より、ホンモノの方が好きだった。
……と、
"……ドスドス…… "
突如感じる大きな地響き。
……あ。
"……ドスドスドスドス……"
巨体を揺らし、岩男がこっちに歩いて来る。
——ピタ!
あたしの前で立ち止まった。
「……岩男」
警戒し、すぐに奏太が立ち上がる。
静まり返るアジト。
岩男は何も言わず、あたしをじっと見下ろしている……
「……どうしたの?」
あたしが言うと、
——ズイ!
ペットボトルを差し出してくる。
……?
「……えっと……」
——ズイ!
受け取れとばかりに押し付けてくる……
「……ありがとう」
あたしがそれを受け取ると、岩男はクルッとひるがえす……
「……おい、岩男」
「……明日」
「……?」
「明日合流する」
それだけ言うと、またドスドス歩いていった。
「……やっぱり不器用……」
受け取った“元気いっぱいパインジュース” を握りしめ、あたしは背中を見送った。


