「……ちょっ……美空ちゃんっ、」
「スゴすぎて何がなんだか……」
覇鬼の事は、まだ、どうしたらいいか分からない。
でも——、
「この倉庫にいっぱい集まってる。 ……あ、パーマ男が通行人ぶん殴った。一人この歯医者さんで治療中……」
あたしには、あたしに出来る事がある。
「「「「……っ⁉︎」」」」
「それから——、」
ここぞとばかりに、あたしは力を使いまくった。
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「……昼間はいろいろ言ったが、実際、おまえの霊感にはずいぶんと助けられているな」
奏太があたしの隣に腰をおろす。
「……ほら、」
差し出されるチョコレート。
「ありがとう」
あたしはそれを受け取った。
——ガヤガヤ……
さっきまでの緊張が嘘のように、アジトはいつもの雰囲気を取り戻している。
でも、けして穏やかな訳じゃない。
みんな、どこかで危機感を抱きながら、それぞれ体を動かしたり作戦会議をしたりしている。
見張りにつく者、待機する者……
あたしが言った情報をもとに、みんなにはそれぞれ役割が与えられた。
テルは仲間を引き連れて、縄張りに侵入する覇鬼を撃退しにいった。
アオとハクは幹部の間で、なにやらパソコンをいじってる。
哲平は引き続き、陽菜の警護にあたってる。
さっきから二人、見あたらないけど……
「……平気なのか?」
ふいに奏太が聞いてくる。
「……なにが?」
「奴等の標的になってるっていうのに、不安な顔一つしねえのな」
「……うん?」
「怖いとは思わねえのか。いくらオレが付いているとはいえ、相手は情け容赦ない連中なんだぞ」
……?
あたしは少し首を傾けた。
「……怖くない、というより……」
「……?」
「あたし、怖いが分からない。それ、まだ取り戻してないし……」
「……は?」


