「……奏太、強いね」
「ああ、おまえの機転のおかげだな。この場所じゃなかったらオレもタダでは済まなかった。霊感も案外役に立つもんだ」
「……もしかして、黒パーカーとどっちが強いかなあ?」
「さあな、一度手合わせしてみたいもんだ。ほら、行くぞ」
奏太があたしの手をつかむ。
「「……ぐっ……」」
「「……ぁぅ……」」
覇鬼の山を踏んづけて、あたしたちはアジトへ戻った……
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「……束の間の休息だったね。あいつら、完全に勢い取り戻してるよ」
「いや、前以上かもな。縄張り無視して襲撃とか、今までなかったぞ」
アジトでは奏太を取り囲み、話し合いが行われていた。
襲われたのはあたしたちだけじゃなかった。
幹部や他のメンバーも覇鬼に襲撃されていた。
さいわい、奏太の所に数が集中した為、たいした事はなかったみたいだけど……
「……ヤツら、なんかおかしいぞ」
神妙な顔でテルが言う。
「早く美空を引き渡せってよ、すげえ美空にこだわってたっつーか……」
「……あっ、僕にもそんな事言ってたよ。美空ちゃんはカタキとかなんとか……」
——ザワ……
「……おそらく……」
奏太が重く口を開いた。
「奴等は、美空がアジトを爆破したと思っている。オレの指示でな……」
「……えっ⁉︎」
「……ああ⁉︎」
「何故かは知らないが、そういう事になっている。どうやら奴等の中で、ターゲットはオレと美空にしぼられたようだ……」
「「「……っ!」」」
「……なんじゃそりゃ⁉︎」
——ザワザワッ!
驚いたみんなの顔が目に映る。
「……奏太は分かるが……」
「うん、あいつら奏太が黒パーカーだって疑ってるからね」
「訳わかんねえ、なんで美空だよ……」
戸惑いの声があちこち上がった。


