……よし！
一気に頭が切り替わる。
ふつふつと、どんどんやる気がわいてきた。
「奏太っ！ あたしっ！」
「……っ、おまっ……耳元で大声出すんじゃねえっ！」
「あたしもがんばるっ！ あたしも！ あたしのっ！」
「うるせーっつってんだろーがっ！」
「やるべき事をっ——」
——バッ！
……っ、
また奏太に口をふさがれる。
「ルールを忘れたのか！ ……ああ⁉︎」
至近距離で睨まれた。
「いいか！ し、ず、か、に、していろ！ 分かったな！」
「…………」
——コクン。
素直に頷く……
「……ったく、どんだけお子様なんだ」
手を離し、奏太はフイッと前を向いた。
「…………」
……えっと、だから……
「長く、困らせたから……」
「……？」
「もう長引かせたくないんだ」
今度は小さく言葉を発する……
「……なにを言っている」
「……奏太。教えて。迷惑かけないの、どうしたらいい？」
「……何の話だ」
「バキをやっつける方法。教えて」
「……⁉︎ 何故おまえにそんな事……」
「あたしじゃない。黒パーカーが言っている……」
「……は？」
「いいから教えて。どうしたらみんなに迷惑ならないで、バキやっつけられるの？」
「…………」
奏太は探るようにあたしを見る。
「……ハァ、」
ため息をつくと、小さく首を横に振った。
「……まず、山川が潰れねえと無理だろうな。親がいる限り、連中はいくらでも湧いて出る」
「…………」
……つぶれる？
……山川組……
「そうか。だったら山川組をやっつける！」
「……あ⁉︎」
「……と、黒パーカーは言っている」
「…………」
