なにげに、この霊感という言葉は便利だと思う。
つい何か口走ってしまっても、“ 霊感だ ” とさえ言えば、みんな納得してくれる。
「でも、なんで?」
気になって、あたしはみんなに聞いてみた。
「岩男すごくイライラしてた。前と態度、気持ち、違ってる?」
「「……あ〜……」」
「確かに、前はもうちょっと穏やかだったかな」
「女嫌いは変わんねーけど、あそこまで陽菜ちゃんを毛嫌いしてはなかった」
「……きらい?」
「もちろん陽菜さんが悪い訳じゃないんスよ」
「最初はみんな陽菜ちゃんに癒されてたし、幹部たちなんて岩男以外みんな恋しちゃってたからね」
「あの儚げ〜なトコが男に守ってやりたいって思わせるんだろな。最終的に陽菜ちゃんは哲平を選んだんだけどさ……」
「……?」
……恋?
「……けど、二人がくっついたあたりから、族同士のなわばり争いが激しくなって……」
「陽菜ちゃんがターゲットにされる事が多くなったんだ……」
「まさに扇龍最大の弱点になったって訳」
少年たちの顔が曇る。
言いずらそうに声を潜めた……
「……弱点?」
「もちろん、売られたケンカに扇龍が負けるはずないけどさ」
「それでも、けっこうヤバイ時はたくさんあって……」
「毎日毎日ケンカケンカ……怪我で入院する奴もいる」
「族は複数あったのにさ。なのに扇龍ばっかり標的にされて……」
「特にあの事件以降、覇鬼の猛攻ひどくて」
「……?」
「岩男、誰か入院するたんび、かばいきれなかったっつって自分責めんだ」
「岩男のせえじゃねーのに。あいつ責任感じてさ」
「やり切れねえ思いが岩男を苛立たせてんだよな。最近の陽菜ちゃんへの態度がキツイのもそのせいだ……」
「悪いのは覇鬼なんだ。でも……」
「正直、オレらもいっぱいいっぱいで……」
「岩男の言う事にも一理あるかなって。やっぱどっかで陽菜ちゃん負担になってきてんのも事実で……」
どんよりと、重い空気に包まれた。


