SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



もともと、霊感とESPの境界線なんて曖昧だ。

どっちも同じ、人並み外れた第六感だし、霊感より更に変化したのがESPなのだ。
 

……う〜ん、


あたしもテレビで霊能力者が力を使うのを見た事があるし……

霊能力者が堂々と力を使っていいなら、

あたしも、霊能力者だって突き通した方が、今は都合がいいかもしれない。



「どうした? やっぱホラなんだろ?」


目の前には勝ち誇ったような岩男の顔……


「だよなあ、霊感なんてある訳——」
「——わかった」


あたしはコクンと頷いた。


「……あ?」


「じゃあ、見てみる」


「…………」


ポカンとする岩男。


"……ジジ…… "


アンテナを開き、あたしは意識を高めてゆく。

トレーニング以来となる【 ESP透視能力 】を起動させた。


"……ジジジジ……!"


はっきり言って、あたしはあまりこの能力は得意じゃない。

だけどメッセージ性の強いものだったら、あたしでも読み取る事はできるはずだ。


——ボワッ……


岩男を包むオーラと呼ばれる体の “ 気 ”

それがスクリーンとなって何かの映像を映し出す……


……?

なんだ、あれ。

じっと岩男の背後に目をこらす。

実際には頭頂部でモノをみている感覚だ。



「……おい、ハッタリもいい加減に——」
「——パインちゃん……」


ポツリ、あたしはつぶやいた。


「……っ……」


「……?」
「パイン、ちゃん?」


「あれ何ていう動物だっけ? こんなんで、こうなってて……」


「……っ!」


空中にマルを描くあたしに、岩男は何も答えない。


「ねえテル、奏太」


今度は二人に聞いてみる。


「なんて言うんだっけ? ほっぺたふくらんで、前歯がこう……」


自分の前歯をのばしてみせた。