SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「岩男、迷惑かけてんじゃん!」
「もう盗んでくんのやめろよな!」


「……う、るせえ……そいつが勝手に捕まったんだろーがよ……」


「岩男!」
「ちゃんと美空に謝りやがれ!」


「……っ、オレは謝らねえぞ!」


「「「「 岩男っ!!」」」」


若干動揺しながらも、岩男は反抗的なそぶりを見せる。



「……そ、そもそも怪しいんだよお前!」


「……?」


「霊がいるだの何だの、さんざん大ボラ吹きやがって! 幽霊なんかいる訳ねーし!」


まごまごしながらあたしに言った。


……?

……幽霊? ……いない?


「幽霊はいるよ」


当然のように言葉を返す。すると、


「だったら証拠みせてみろよ!」


ムキになった岩男が、挑発するようにクイッとアゴを突き出した。


「……おいおい……」
「なんか話ズレてんぞ……」


「……証拠?」


「昨日、テレビでやってたぞ。愛子っていう霊能力者、その人物見ただけで本人しか知り得ない秘密の情報を言い当てた……」


「……へえ、」


霊能力者か。

すごいな愛子。


「お前も霊能力者の端くれなら、オレにしか分からない何か情報を言ってみろ!」


「……え、」


……なんだそれ。

なにか透視、しろってこと?


——ザワ……


「……霊能力者って……」
「それホントなのかよ?」

「でも、僕ちょっと気になってたんだよね。美空ちゃんが視える子だってウワサ!」


変にアジトがどよめく中、アオだけがやたら興味津々な顔をする。


「……えっと……」


あたしは少し考える。


"能力を人に見られるな"

マニュアルはちゃんと頭に入ってる。

でも、あたしに霊感がある事は、何故かみんなに知られてる。