SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



「あれ以来、それだけは勘弁して欲しいと中坊たちが泣きついてきやがる。それもこれも、お前の変な言いがかりのせいだろーが!」


「「「 やめろっ!」」」


……?

岩男の言う言葉の意味は分からない。

でも、


「バス停は困る。盗んじゃだめ」


あたしはハッキリそう言った。


「……あ゛⁉︎」

「美空っ!」
「おめえは下がってろって!」


「だって、盗んじゃだめなんだ」


「……おいッ!」


岩男はますます凄んでみせる。


「盗んだから何なんだ! お前に関係ねえだろうが! 何か迷惑かけたのかよッ!!」


そうあたしに問い詰めた。


「「岩男っ!!」」


……迷惑?

ふと、あの日の事がよみがえる。


「……つかまった」


「……あ゛?」


「あたし、警察につかまった!」


「「「 ! 」」」


ピタッとみんなの動きが止まった。



「返しに行ったらオマワリさん。あたしがバス停泥棒……思われた」


「「「……っ!!」」」


——ザワッ


「……やっべ……」
「……マジかよ……」

「あんな重いものをよく……」
「……てか、とんだ濡れ衣……」
「おめえ、あん時ふんだりけったりだったんだな」


沈黙のあと、口々にみんなが喋り出す。


「自分じゃねえって言わなかったのか! 岩男……その、扇龍の仕業だと」


奏太が横から聞いてきた。


「ちがう言ったけどだめ。でも扇龍言わない。あたし説明苦手だし」


「……そう、だったのか……」


「うん、そうだった」


——ザワザワ!


沸き起こる雑音。

みんなの視線が岩男に向く。