SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし



——ヒュウ〜……


……うん?

弧を描き、ソレがあたしの方へ落ちてくる。


「「「……っ!!」」」


"ゴグシャ——ンッ!! ”


「……あっぶね!」


かばうようにテルがあたしを引き寄せた。


「おめえ平気か?」


「……うん」


あたしはテルに返事する。

本当は腰骨にテーブルの足があたったけど、気にしない。


「……ハァ!」


奏太が荒く息を吐く。

憮然とする岩男を見据えて口を開いた。


「岩男、確かにおまえの言っている事は正しい」


「……………」


「だが、だからと言って陽菜や美空を傷付けていい理由にはならない。もう二人を傷付けるような事はするな!」


「……っ、」


威圧的な奏太の瞳……

生唾をのみ、岩男は少したじろいだ。



「……チッ、」


岩男の視線があたしに移る。

ムシャクシャした顔で、ドスドスこっちへ歩いてきた。


「……なんだ岩男」


すかさずテルが前に出る。

岩男はジロリ、あたしを見下ろした。



「……悪かったな。少し足が滑ったようだ」


……?

とても謝っているような顔じゃない。

ぶっきらぼうに岩男は続ける。


「お前は扇龍が世話になった女だ。気まぐれに幹部が連れ込んだ訳じゃねえ……先の女とは事情が違う。借りがある以上は義理立てするのが当然だろう。しかし……」


「……?」


「オレはやっぱり女は嫌いだあーッ!!」


吐き出すように、岩男はあたしに怒鳴りつけた。


「「……っ!!」」
「「……岩男!!」」


すぐに幹部たちが取り囲む。