伯耆坊は、そんな男の様子を気にする事なく、離れた男の手を再び自分の手とつないだ。 「 なっ!」 それを振り払おうと男は抵抗をみせている。 ……が、すぐに男は静かになった。 男は何か探るように伯耆坊と視線を合わせ、驚いた顔で目を見開いたり、眉間にしわを寄せたりを繰り返している。伯耆坊もジッと男を見つめていた。 二人の間に無言の時間が流れる…… やがて二人の手が離れると、今度は男の視線があたしとぶつかる。 「……信じられない 」 男は呆然とした様子で、そんな事をつぶやいた。